一畑電車株式会社では、中国運輸局からの「鉄道車両における輪軸の緊急点検」の指示を受け、緊急点検を実施しました。
当社は輪軸組立作業をすべて外部委託していることから、各事業者へ確認をしてきました。
当社車両における6両分の輪軸組立作業を委託している株式会社総合車両製作所(以下「J-TREC」)より、当社への報告内容に不正があった旨の申し出がありました。その内容は、基準値を超過している輪軸が2軸あり、数値の書き換えが行われていたため、再点検を実施し、基準値を超過している2軸につきましては緊急点検を実施して、全車両の安全性に問題がないことを確認しました。
ご利用のお客様には深くお詫びするとともに、本事案を厳粛に受け止め、安全を第一に再発防止に取り組んでまいります。
詳細は下記のとおりです。
1.点検の対象輪軸
輪軸:72軸、車輪:144枚(車両数18両)
2.点検内容
(1)車軸に車輪を圧入した際の圧入力値の記録の差し替え等の不備の有無
(2)圧入力値が社内の規定等から逸脱している等の不適切な事案の有無
3.点検結果
(1)車軸に車輪を圧入する作業については、すべて外注工事で実施しています。システム上、機械に自動的に入力される仕組みとなっているため差し替えが出来ないものと認識していましたが、一部手動で記録を修正することが可能であり、J-TRECで施工した輪軸で数値の書き換えがあったことが判明しました。なお、当社での差し替え、改ざん等はございません。
(2)J-TRECからの差し替えが行われる前の輪軸圧入力値のデータを受領し、すべての輪軸を再点検したところ、基準値を超過している輪軸が2軸(1両)あることが判明しました。なお、最大で8.0%超過しておりました。
4.安全性に対する考え方
(1)圧入作業時に圧入力状況を示す曲線(チャート)により異常がないことを確認できた輪軸については、外注先の改ざんの有無も確認し、2軸を除いては基準値内であることを確認しています。
(2)すべての輪軸において、重要部、全般検査の組立時に超音波探傷検査を実施し、輪軸に損傷がないことを確認しています。また、月検査時にバッグゲージの測定等を行い、異常がないことを確認しているため、安全性に問題がないことを確認しています。
(3)圧入力値が基準値を超過した輪軸については、9月28日に①超音波探傷検査、②車輪間隔の測定、③目視点検、④アイマークによる追跡調査の緊急点検を実施して安全性を確認しております。
5.今後の対応
各外部委託先に対して、事実究明と再発防止、チェック体制の改善等を協議、要望していきます。